社会医療法人 北海道循環器病院
診療内容
 

「認知症」とは病名ではなく、状態を意味する言葉です。
脳全般に何らかの軽度・広範な障害(外傷、脳血行障害、脳細胞の萎縮などの様々な要因)が加わり、そのために自発性、判断力、意欲などが低下し、社会活動や家庭生活に支障がある状態をいいます。  

 
認知症の臨床研究の第一人者であり、これまで30,000例以上の症例を診てきた浜松早期認知症研究所 金子満雄先生によれば全認知症症例の約93%が廃用型認知症(以前はアルツハイマー型認知症と呼ばれていたもの)であるといいます。

これは「心の生活習慣病」と云われるもので「若い頃から仕事一辺倒で、趣味もなく、交友関係も少ないといった生活を続けてきた結果、仕事をやめて数年のうちに認知症が起こる」というタイプです。こうした人たちは、子供のごろから右脳の感性教育がうまくなされず、勉強と仕事に打ち込むだけの人生を送り、音楽や絵画の美しさにも感動できず、碁も将棋もトランプも楽しまず、スポーツにも熱中できない、というタイプであるといえます。

また、この種の認知症は、ご本人が主たる原因ではありますが、家族にも問題がある場合が多く見られます。配偶者や子供達も感性に乏しく、優しさや思いやりがなく、冗談やユーモアを口にすることもなく、家で一緒に遊んだりすることもない。そんな冷たい同居人の集まりのような家庭に認知症は起こりやすいとされています。
   
 
 

・仕事一辺倒で感性の乏しい人
・笑顔が少なく冗談の言えない人
・話が理屈っぽい人
・音楽や絵画、スポーツに無関心な人
・ワンパターンな生活を営む人
・外見や体裁を過度に気にする人
・人との付き合いが少ない(嫌いな)人
・思いやりがない人
・家族や周囲の人たちに優しい言葉をかけられない人
・家族との団欒がない人
 
 
認知症は、軽度⇒中度⇒重度といった過程を経て重篤化していきます。これまで認知症は治らないとされてきましたが、それば画像診断を重視した結果、重度の段階で発見されていたことによります。

しかし、早期認知症から重度までに移行するには最低でも2〜3年の期間があることから、早期の段階で認知症を発見し、脳リハビリテーションを開始すれば回復する可能性は十分にあると言えます。
認知症の重篤度の判定には浜松早期認知症研究所 金子満雄先生が開発した浜松二段階方式といわれる簡易認知症診断法を用いてレベルの判定を行っています。
(※浜松二段階方式の診断精度は認知症患者3万人以上と早期認知症検診受診者の数十万人により検証され医学的に有効性が実証されています。)

▽かなひろいテスト[前頭前野の機能評価]
かなひろいテストは金子満雄先生とエイジングライフ研究所高槻氏らが開発した検査方法で、認知症はもとより前認知症状態の診断にも用いられるテスト。
ひらがなだけで書かれたおとぎばなしの一部分を読みながら2分間で文中の母音「あ」「い」「う」「え」「お」を何個拾い出せたかによって成績を判定する。60点満点。そしてさらに文章の意味もきちんと読みとられていたかも確認します。

 
 
かなひろいテスト」の結果が年齢不相応の場合は、社会活動には適応できない認知症の領域にあると判断します。

 
▽簡易知能テスト=MMSEテスト[大脳後半部の認知機能評価]
MMSEテストは1975年にアメリカのフォルスタイン氏らが認知症を調べる方法として考案した知能テストを簡略化した検査法。
「今日は何月何日か…」などと問う見当識、簡単な単語を直後に反復させる記銘、「目を閉じて…」などと書いた紙を見せ、それを動作でやらせる書字命令など多角的なテストで脳機能を診断します。(正常値は25点以上)
   
 
 
 

▽浜松二段階方式による認知症の判定

▽軽度認知症=社会活動に障害が出るレベル

1.

ぼんやりしていることが多い

2.

生きがいを覚えているふうがない

3.

根気が全く続かない

4.

発想が乏しく、画一的になる

5.

一日や一週間の計画が、自分で立てられない

6.

仕事をテキパキと片付けられない

7.

反応が遅く、動作がもたもたしている

8.

同じ事を繰り返し話したり、尋ねたりする

9.

無表情、無感動の傾向が見られる

10.

相手の意見を聞かない

※4項目以上の該当:軽度認知症(小ぼけ)

中度認知症=家庭活動(炊事、洗濯、掃除、庭仕事等)に支障の出るレベル

11.

日付があやふやになる(月はわかっても、年、日を忘れる)

12.

身だしなみに無頓着になる

13.

今までできていた、簡単な仕事ができなくなる(洗濯物の整理、食器の片付けなど)

14.

ガス、風呂の火、電気の消し忘れ、水道の締め忘れが目立つ

15.

料理がうまくできず、味付けが変になる(おかずの種類が減る)

16.

薬をきちんと飲めないので、家族が注意する必要がある

17.

季節や目的にあった洋服を選べない

18.

昨日のできごとをすっかり忘れてしまう

19.

お金や持ち物のしまい場所を忘れて「盗まれた」と騒ぐ

20.

簡単な計算ができない

※軽度+4項目以上の該当:軽度認知症(中ぼけ)

▽重度認知症=自分の身の回りのことにも支障が出るレベル
21. 居の家族の人数、名前や関係が分からない
22. 汚れた下着を、そのまま平気で着ている
23. 服を一人では正しく着られず、上着に足を通したりする
24. 入浴を嫌がる
25. 食事をしたことを、すぐに忘れる
26. しばしば自宅の方向がわからなくなる
27. 家庭生活(食事、入浴、排泄)に介助が必要である
28. 独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ
29. 誰も居ないのに「人がいる」といったりする
30. 大小便を失禁したり、後の処置がうまくできない
※軽度+中度+C3項目以上該当:重度認知症(大ぼけ)脳リハビリテーション

▽脳リハビリテーションの目的   ▽右脳刺激訓練(プログラム)
右脳を刺激して活性化させ生き甲斐や意欲を亢進させることにあります。
▽MMSEテストによる評価
浜松早期認知症研究所の調査によれば、ある期間に脳リハビリテーションを実施した306名(女性216名、男性90名、平均年齢75.1歳)のうち、93%において、3ヶ月訓練終了時までのMMSEの成績に明らかな効果が認められました。

改善群

MMSEが3点以上上昇

162名

53%

非悪化群

MMSEが±2点以内

123名

40%

悪化群

MMSEが3点以上低下

21名

7%


▽画像診断による評価
PETによる脳活性の状態の比較です。脳リハビリテーションによって脳が活性化していることがわかります。
脳リハ前  
 
脳リハ後
        

介護老人保健施設グラーネ北の沢

介護老人保健施設サンビオーズ新琴似

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